2009年8月24日月曜日

Post Electionの日本の政治をどう評価するか?

今、私の手元に2つの政党のマニュフェストがある。

今度の衆院選で与党になると予測されている某野党と、議席数は少ないが、生活者視点の政治の重要性を訴える、これまた、別な野党のものだ。

この週末、歩いていて何気なく、受け取ったものだ。

偶然かもしれないが、選挙一週間まえにもかかわらず、自民党のマニュフェストを受け取ることはできなかった。

これも勢いの差かなと思う。

手元のマニュフェストによれば、民主党が掲げる主な政策目標は、税金のムダづかいの根絶、子育て支援、年金通帳の発行、「地域主権」の確立、中小企業への税率減少、などとなっている。

今回の選挙結果について、様々な予測が出ているが、民主党の勝利が大勢の見方のようだ。

時事通信社は、民主党が480議席中300議席以上を獲得するだろうと報じている。

もし、そこまで圧勝すると、他党との連立を組むことなく、議会運営ができるようになる。

国民の本音としては、とりあえず、今の自民党政権に確信が持てない、はたまた、ポスト小泉政権の運営にほとほと嫌気がさした、などいろいろ理由はあろうが、一度、与党を変えてやれ、ということなのだろう。

大きな期待は持てなくとも、自民党政権の下で、スポットが当たらなかった部分が明るみに出るかもしれないという期待感もあるだろう。

既にいくつかのメディアでは専門家の意見として、ポスト・エレクションについて状況が述べられている。

慶應大学の竹中平蔵教授は、政権政党が自民党になっても、民主党になっても、各党の政策実施の際に、税負担が重くなることを懸念しており、特に法人税の税率を上げるようなことになれば、企業は一斉に日本から逃げていく、と警告を発している。

また、日興シティグループ証券 藤田氏は、民主党が衆院選で単独過半数を獲得した結果、環境技術の育成や人口動態の改善、個人消費の拡大により、株価が上昇するとしている。

加えて、今回の政権交代は、「小さな政府、タカ派」(旧田中派、経世会)から「大きな政府、ハト派」(旧福田派)に振り子が振れようとしている、と論じている。

状況を大局的に見る見たてとしてわかりやすい例えであり、田中真紀子氏が、民主党へ鞍替えするのは、象徴的な出来事であった。

いずれにしても、今回の選挙で仮に民主党が大勝すれば大きな方向転換となるが、その成果が1年前後のインターバルをおいて国民の審判に問われることになる。

お気づきの方もいらっしゃるかもしれないが、来年の夏に参議院選挙がある。

この1年間の政権運営で支持を得られなければ、参議院選でシビアな結果になるだろう。

よって、今回の衆議院の任期は4年といいつつも、新しい与党は、それほど、悠長に構えているわけにはいかない。

すぐにでも、成果を出さなければならない。

自民党のマニュフェストに若者の職業教育の強化、年長フリーターを重点とした正規雇用化支援といった内容はあるが、民主党のマニュフェストと合わせて見ても、私のBlogで何度か唱えてきた、世代間格差は根本的に解消されそうもない。

少子化対策も大事だし、年金も国民の信用が関わるのでフォローアップは必要、これらは最低限やらなければならない課題であることは確かである。

ただし、今後の4年間を見据えた政治的・経済的な政策のプライオリティーとして、現在の20~30代の雇用、別な言い方をすれば、この世代の社会的参画のあり方を本格的に取り組むべきではないかと思う。

これは製造業派遣対策に限らない。

より大きな意味で、多少時間を掛けても、大きな社会的変革を促し、若者世代の仕事への関わり、自己実現への手段の提示、社会参加の機会を提起していく必要があると思う。

これは産業界だけの取り組むだけでは不十分で、政治的リーダーシップがないと出来にくいことであり、その意味で、より本腰を入れて取り組んでいただきたい。

ここ数年で、中国、マレーシア、トルコ、オーストラリアなど旅行で訪れたが、若者が元気な国は勢いを感じる。

私はこの世代間格差の解消を本気で取り組めるか否かを、Post Electionの政治を評価するうえで、ひとつの軸に据えたいと考えている。

K

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