2008年10月6日月曜日

Yen and Japan's stock

今週の株価と為替は、めまぐるしく変化した。実際に株や債券、為替に投資している人は落ち着かなかったのではないか。

数字で振り返ってみると、3日(金)の終値と10日(金)の終値を比較すると、日本円は米ドルで4%、ユーロで7%、ポンドに至っては8%の円高となった一方、日経平均株価は24%の下落となった。

この数字から何が推測されるか?

為替相場で円は「優等生」である。昨今の欧米の金融機関が抱える課題の大きさ、円キャリー取引の解消、そして、金融不安という状況によって、円は「買い」対象だ。

7日付の英Financial Timesのなかで、あるエコノミストは、

 "There has been a high correlation between the performance of the yen and signs of financial stress" (Colin Asher, senior economist at Nomura)

と語っており、マーケットが避難先として円を選んでいることが推測される。

一方で、総じて日本の会社の株式は「売り」対象だ。

バブル崩壊の結果生じた3つの過剰(設備・雇用・債務)の克服になりふり構わず取り組んだ日本の企業は、高い生産効率を誇り、「昨年度の設備稼働率は最低だった01年度に比べて19%も高い水準上がっており、欧米に比べても、余分な設備をもたずに競争力を誇っている」(日本経済新聞 10月6日 朝刊)そうである。

リスク資産からの逃避により、世界を見渡しても押し並べて株式相場は低い水準となったが、ついに日経平均銘柄の平均PBR(株価純資産倍率)は1倍を割れ込んだ(10日付 0.98倍)。このPBRとは、一株あたり純資産額に対する株価の倍率(状況)を測る指標で、PBRが1倍であるとき、株価が解散価値と等しいとされる(引用 Wiki Pedia)。別な言い方をすると、理論上は、1倍を割っている会社の株を買ってその会社の資産を売却するだけで、利益が出せるのである。10日時点で、ソニーが0.69倍、トヨタが0.85倍、ホンダが0.84倍、という状況だ。

買われる円と、売られる日本株の構図は、下の図からも明らかであろう。



特に9月にアメリカの金融機関の破たんが相次ぐなか、この負の相関が顕著となっているのである。日本を代表する各企業がこの困難にどう対処するのか、引き続き、行方を見守っていきたいと思う。

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