2009年6月7日日曜日

今後を生きる、自分の「方程式」

引っ越した今の住まいに近くなった野球場でプロ野球の試合があるというので、昨日、観戦に行ってきた。結果を分かっている人にはあまり興味はないだろうけど、TBSが動画で試合内容を配信しているようなので、興味があれば下記のサイトからご覧あれ。

TBS「横浜ベイスターズ動画」

<視聴方法>
1.「アーカイブを見る」
2.6/6のプレイボタンをクリック
3.右側のメニューのうち「ダイジェスト」をクリックすると、試合のダイジェスト版が視聴可能。また、イニングごとの星印をクリックすると、各イニングの動画も視聴可能。

観戦した席の周りの方々は、贔屓のチームの応援に忙しく、また、そのプレーにも一喜一憂。かなりの乱打戦となり、場外を含むホームランも多く出たが、周りを見渡すと、贔屓のチームの選手がホームランを打てば、仲間とハイタッチ。また、若い女性が好きな選手の名前が出てくると大きな声で名前を呼ぶなど、学生時代に野球をしていたものとしては、違和感を感じる程の野球観戦風景だった。そもそも大声で好きな選手の名前を叫ぶなどは、昔は、酔っ払いのおじさんくらいしかいなかった。野球観戦の「方程式」は変わったのだろうか?


先週、またしても、厚生労働省が興味のあるデータを発表した。「2008年の人口動態統計」というものだが、日経新聞の記事で報じられたその要旨は以下の通り。

・出生率は3年連続で増加(06年1.32、07年 1.34、08年 1.37)

-統計では第1子や第2子が減った一方で、第3子以上の出生数が前年比で3%増えたことが明らかになった。「もう1人」と考える世帯が増えた可能性あり。

-年齢階層別でみると35歳から39歳で出生の増加数が最も多かった。第2次ベビーブームにあたるこの世代は他世代より数が多く、全体の出生数のカギを握っている。

-婚姻件数の増加も出生数を後押しした。婚姻件数は72万6113組と2年ぶりに増加。30代になって結婚を意識し始め、初婚を迎える女性の割合が増えている。

-「うるう年の影響がなければ出生数は減っていた可能性がある」(厚労省)。

-出産期の女性人口(15歳から49歳)が減ったことも影響。08年10月時点で前年比22万5千人減と出生数の増加幅より大きく減っていた。

・日本の総人口はこれから加速的に減少

-出生数から死亡数を引いた自然増減数は5万1317人減と過去最大の減少幅。

-景気や晩婚・晩産化は今後の不安材料。夫の平均初婚年齢は30・2歳、妻は28・5歳。それぞれ前年と比べ0・1歳、0・2歳の上昇。初婚年齢が遅れれば出産機会も減る。第1子を産んだ女性の平均年齢は29・5歳と16年連続で上昇した。

-厚労省が同じ世帯を5年にわたって追跡した「21世紀出生児縦断調査」によれば、父親が一度でも無職になった世帯はずっと常勤だった世帯より一人っ子の割合が5%近く高い。

また、日経新聞では、厚労省の発表とは別に、調査会社の見解も紹介している。

-08年秋以降の景気後退によって足元では雇用不安が台頭、「家計部門が傷んだことで、結婚や子づくりに二の足を踏む女性が増える可能性がある」(ニッセイ基礎研究所の櫨浩一経済調査部長)

以上の日経新聞の見解に加えて気になるのが、年代別の死亡要因で、20代から30代前半まで男女ともに自殺の割合が大きいこと。それに、男性に至っては、その傾向が40代前半まで続いている。私は30代であるが、少なからず、景気や会社の業績がもたらす職場環境や就労環境が影響しているのは容易に想像がつく。

何よりもポスト・バブル期を現場の戦力として支えてきたこれらの年代にとって、定期就労の機会を与えられなかったり、会社に勤めていたとしても人員削減の影響から一人あたりの業務の多くなったり、規模縮小のあおりを受けた昇進機会の少なくなったり、過度な業績重視による職場の居心地が悪くなったり、いつクビを切られてもおかしくない不安定な業務環境にモチベーションを維持しづらくなったりなど、明るい見通しが立てづらい環境であるのだと思う。

今回の人口動態統計を見るにつけ、日本の人口構成が高年齢層にシフトしていき、そして、これからもその傾向が続くことが予想される。急な出生率の伸びよりも、死亡率が急に高くなる可能性のほうが起こりうるからだ。これからは、街に出ても周囲に自分よりも年齢の高い人を見かけるようなことが多くなり、日本社会は様々な財・サービスが高齢化に適するような環境になるだろう。一方、公共サービスにおいては、例えば、先のブログでふれたような年金がいい例だが、税や年金でそのコストを支払う人たちよりも、プールされた税や年金を吸収する人の割合のほうが圧倒的に多くなる社会になるはずだ。本格的な「消費社会」の到来である。

そういった社会でどういう生活を送るかが各世代の課題になるであろう。20~30代の人はこういうことを親に相談しても答えは出てこない。親世代の方程式は、良い会社に勤めてから結婚し、2人の子供をもうけ、長期のローンで家を買う、というのがお決まりのパターンだろうが、その方程式は、上述のような社会を迎えるにあたって、今の20~30代に通用しない。よって特に20~30世代は、自分なりの、親世代とは異なる「方程式」を持つ必要があるのだろう。

あなたは自分の方程式を持ってますか?

K

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