2009年1月24日土曜日

Winners and losers in IT Industries <Introduction>

今週発表されたマクロ経済指標はどれも悲観的なものばかり。中国の経済成長率は現在の雇用維持に必要な8%達成は容易ではなさそうで、イギリスは金融業界の業績悪化でしばらく落ち着く兆しを見せず、お隣韓国も見通しは明るくなく、日本のGDPも向こう2年はマイナス成長・・・しばらく好転しそうがないのは明らかだが、マクロ指標だけではどうすればよいかの目星がつかない。

そんななか、今週、アメリカでIT業界の主要企業による昨年10-12月期の決算発表が相次いだ。先行して発表されたIntelの業績悪化のインパクトが大きかったので、こちらもあまり期待できないかと思いきやそうではなかった。以下に主要な業績結果と前期比をまとめる。


      売上・純利益の単位: 億米ドル

金融危機のなか、最もハードルが高いであろう、純利益が前期比からプラスとなった企業を「勝ち組」、それ以外を「負け組」(そう呼ぶには少し酷な環境かもしれないか・・・)としてまとめた。

まず、「負け組」からハイライトすると、Microsoftは高い利益率ながら、その成長率に陰りが見られ、先に発表された5,000人規模の人員削減策発表と関連づけても、ビジネスの成熟度が進んでいる様子が伺える。また、Googleは、売上高が7社中、唯一2ケタ成長しているが、純利益の急減から、これまで享受してきたネット広告頼みの収益構造に限界を露呈した格好といえそうだ。Intel、ソニー(正式な決算発表は来週)、Samsungの製造業3社の業績は見ているだけで痛々しく、miserableとしかいいようがない。製造業特有の課題として在庫リスクも抱えるだけに、今後、一層、厳しい対応が迫られるだろう。

これに対して、「勝ち組」2社の強さが際立つ。純利益ベースの増加、高い利益率・・・こういう厳しい環境に関わらず、目を見張る実績である。

次回以降、この「勝ち組」2社の売上構成と事業別の売上成長率から、「負け組」と異なる業績を生む特徴を考察してみたいと思う。

K

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