先週、そういったストレスを解消する画期的な試みを話し合う話し合いが始まった。
渋滞・混雑を緩和することで観光需要を掘り起こし、消費・雇用を喚起することを目的に、政府の観光立国推進本部(本部長・前原誠司国土交通相)は3日の作業部会で、春と秋の大型連休を地域ごとに分散する試案を提示したという。
これは、もともと星野リゾートで有名な星野佳路氏が政府に提起していた案がベースとなっているようだ。
星野リゾートの事件簿
昨年3月の政府主催の「有識者会合」で、星野氏は、5月の連休を地域別にずらすことで混雑の解消や観光需要の平準化を図るなど、「休日改革」の持論を説明していた。
それでは、今回の具体的な案は、どういう内容だったか確認してみよう。
・ 試案では全国を5地域に分ける。
・ 春と秋に地域ごとに週をずらして3日分の休みを月曜日から水曜日に配置し、土日を合わせ五連休にする。月曜から水曜に配置する地域と、水曜から金曜に配置する地域を組み合わせる案も。
・ 春は憲法記念日(5月3日)、みどりの日(同4日)、こどもの日(同5日)の3日分を活用。秋は海の日、敬老の日、体育の日を、それぞれ7月20日、9月15日、10月10日に固定して3日分の休日を確保。

詳細はいろいろあるにしても、私は、今回の話を聞いて、素晴らしいプランだと思った。
なぜならば、政府はほとんど予算を掛けずに景気を喚起することができる一方で、我々一般消費者は、交通機関や宿泊・観光施設の混雑に煩わされることなく、休日を楽しむことができるからだ。
たかが休日、されど休日、休日を過小評価してはいけない。
ある調査では、「成人の日」「海の日」「敬老の日」「体育の日」を月曜日に変更するという「ハッピーマンデー法」の経済効果について、年間7,000億円~2兆円の効果があると推測されているという。
また、今回の連休の変更でより休暇が多くなるという前提で考えれば、経済産業省・国土交通省・自由時間デザイン協会 (2002)の有給休暇の完全取得によって、約12兆円の経済活性化効果があるとした試算も参考になるかもしれない。
3連休と5連休といった連休期間の違いや、年2回という連休回数をどう考えるかによって、今回の地域毎の連休分散の効果も変わると思うが、少なくとも1兆円くらいの上積み効果は出てくるのではないか。
また、連休が分散されることで、従来は、この週で終わり、とされていたものもも、分散期間全般にわたるために、サービス業に従事する方々の安定雇用という影響も見込まれるだろう。
ということで、万事、いいことづくめのように思えるが、産業界の反応は、今のところ、冷ややかなようだ。
主な声を拾ってみよう。
・ 「製造業では工場により休日が異なると、在庫増加や納品までの期間延長につながり、国際競争力に影響する。地域ごとに金融機関や青果市場などの営業日が異なると企業の資金繰りや食材の調達にも支障が生じかねない」(日本経団連)
・ 「全国展開している企業の業務効率が落ちることが予想されるし、本来の祝日の意味がなくなってしまうという議論もある。地域分散型の連休創設による手形決済日のずれが、企業の資金繰りに影響」(日本商工会議所・岡村正会頭)
善し悪しは別にしても、既にグローバルなオペレーションが、一般化しようとしているなかで、上記のようなコメントに対して、やや時代錯誤的な印象を受けるのは私だけだろうか。
また、石原慎太郎 東京都知事はこう言っている。
・「無意味な試みだと思う。観光客の移動を考えればナンセンスな案だ」
・「頭の悪い政治家が考えたんじゃないの。官僚は小利口だからそんなことは考えないと思うな。ただの思いつき、大反対だ」
一言でいうと製造業と自民党の重鎮には、受けが悪いようである。
前述については、産業別抗争(2次産業vs.3次産業)、後述については、政党間対立(自民党vs.民主党)の色彩が強く、いずれも消費者の目線での指摘ではなさそうだ。
また、マクロ経済でみれば、政府は借金だらけだが、国民はそうではない。
1,500兆円ともいわれる個人資産をどうやってポケットから引き出すか。
しかも、政府の予算をほとんど掛けずに、しかも、我々、国民ひとりひとりがメリットを享受できるなら、やらない手はないではないか。
皆さんは、地域別に連休を変える今回の試みは賛成であろうか?それとも反対?
K
P.S.
週一回更新してきたブログですが、大学での講演準備に備えるため、来週からしばらくお休みしたいと思います。
仕事を続けながら、準備をするとなると、週末しかまとまった時間がとれなくなるためです。
もちろん、その時々の時事ネタの意見をご紹介したいときは更新させていただきますが、不定期となることは十分に予想されますので、ご容赦ください。
それでは、また、皆さんに私の意見をご披露できるのを楽しみにしております。
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