2008年11月23日日曜日

Investment strategy under deflation

最近、気になっているトレンドはデフレである。

ご存じのように、デフレとはモノの価格の低下することだが、Wikipedia日本語版によれば定義は以下のとおりとなる。

デフレーション(deflation)とは、物価が持続的に下落していく経済現象を指す。物価の下落は同時に貨幣価値の上昇も意味する。同じ金額の貨幣でより多くのものを買えるようになるからである。なお、株式や債券、不動産など資産価格の下落は通常デフレーションの概念に含まない

この夏までは原油高騰などもあり、インフレが騒がれたが、ここ最近、一転、デフレを警戒する声が出始めている。

まず、イングランド銀行の総裁である、Mervyn King氏のコメントを引用した、Financial Timesの記事から紹介したい。

“Mr King also declined to rule out the possibility of deflation. However, he said “there is a great likelihood” that RPI inflation – a rate which includes a measure of housing costs – will turn negative next year.”
(”Bank predicts deep recession next year”, Vanessa Houlder and Norma Cohen, November 12 2008 16:42)

来年には、イギリスにおける住宅価格の数値がマイナスになることを示唆している。

また、これを書いている最中に、イギリスの消費者物価が下がったとのニュースも届いている(” Consumer inflation falls to 4.5%”, BBC NEWS, November 18 2008)

“The Consumer Prices Index (CPI) measure dropped to 4.5% from 5.2% in September.”

続いては、今月9日に閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での声明から(Nikkei Net 11月10日「世界同時デフレへの危機感共有 G20会議」)。

“日米欧の主要国と新興国が「グローバルデフレ」への危機感を共有した。(中略)共同声明で「インフレ圧力が減少した」と指摘し、議長国ブラジルのマンテガ 財務相は「デフレへの懸念が強まった」と語った。”

また、アメリカにおいても、原油価格の値下げから、今後の不良債権処理も加わり、デフレが懸念されているとのことだ(日本経済新聞 10月30日「米、デフレ懸念が浮上、原油安で物価下落基調、低金利継続の環境整う)。

“米国で物価の継続的な下落を示すデフレの懸念が浮上してきた。原油価格の急落を主因に八月から輸入、卸売りの各段階の物価が前月比でマイナス基調に転じ、消費者物価はほぼ横ばいとなった。景気低迷や金融機関の不良債権処理が物価を一段と抑える可能性も膨らむ。米連邦準備理事会(FRB)が低金利政策を継続する環境が整ってきた。

 米労働省によると、輸入物価指数は八月に季節調整済みの前月比で二・六%、九月は三・〇%の幅でそれぞれ下がった。九月は石油以外にも工業用原料、自動車、消費財、飲食料などが軒並み低下。ドル安だけでなく需要の減退が響いており、卸売物価でも原材料の値下がりが急だ。
  メリルリンチの北米エコノミスト、ローゼンバーグ氏は二十七日公表したリポートで「次のマクロ経済の課題はデフレだ」と主張。住宅の値下がりや金融の収縮、雇用の悪化などもデフレに働くと指摘し、今は前年比でプラスの消費者物価指数が「マイナスになるのも時間の問題」との見方を明らかにした。
 一方、アトランタ連銀のロックハート総裁が「エネルギーと商品の値下がりでインフレ圧力はさらに後退する」との判断を示すなど、日ごろはインフレに敏感なFRBの関係者からもデフレ傾向への転換を示唆する発言が相次いでいる。

 米国の最大の課題である不良債権の処理も、担保となる不動産などの売却を迫る過程で物価を下押しする要因になる。原油価格が再び高騰するなど事態が急転しない限り、米国の物価の弱含みはしばらく続く見通しだ。

  金融政策も今後、デフレ対応が迫られそうだ。FRBのバーナンキ議長は日本のデフレに関心を持ってきた。二〇〇二年の講演で、克服に手間取った日本と対比 し、金融システムの安定性や経済の柔軟性を理由に「米国で顕著なデフレが起きる可能性は極めて低い」と述べたこともある。

 今は金融危機と景気後退の懸念が米国を覆い、かつて議長が挙げた前提は崩れた。利下げ観測にさらされる議長が担当外の財政出動を伴う景気刺激策を促すのも、需要不足がデフレを招く危機感のためだとみられる。”

そういったなか、どういう投資スタンスで臨むかは考えどころである。

一般的にデフレ期には土地や株式の価格が下がる一方、国債の価格は上昇する。そういったデフレ時に向けた投資のセオリーに則れば、通貨(特に為替リスクのない「円」)、もしくは国債への投資への投資へとウェイトを移すべきかもしれない。そうなれば、選択できるオプションとしては、以下のとおりであろうか。

・円建て預貯金
・(デフレ時には金利が下がり、債券価格(日本国債)が上がるという前提で)債券へ投資
・余裕があれば、日本国債など債権の「買い」に加え、下向きになる景気を見越して株式先物の「売り」を組み合わせる

余裕資金次第で、しかも、デフレへの移行の見極めが難しいが、これがデフレ移行期の投資としてはベストではないかと思う。

デフレへの脱却は半年から1年くらいのレンジで考えるべきだと思うが、その底値を見極めたらデフレからインフレに向かう移行期を見越す前提で、藤巻健史氏が推奨している、(デフレ期で)お買い得になった土地や株式を買い、国債や現金は売る、という戦略となるだろう。

下記のWebは参考になるので、参照されることをお勧めして、今回のBlogは終えたいと思う。

藤巻健史プロパガンダ 最新記事:
http://www.fujimaki-japan.com/propa/200811673336.html

FXスワップ派サラリーマンのまったり資産運用:http://salarymanmoney.blog79.fc2.com/blog-entry-615.html

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